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美容室経営者が目指す年収はいくら?代表的な年収ラインも解説

2022年9月21日
  • コラム

独立して美容室を開業することは、美容師なら一度は持つ目標です。

実際、厚生労働省の「令和2年度衛生行政報告例」によると、美容室の開業数は毎年過去最高を記録しており、令和2年度末時点で25万7890軒というデータが発表されています。この数字は、全国の信号機よりも多い数となっています*。

そこで気になるのは、「美容室経営者の年収」についてです。なかには、現在の給料がほぼ頭打ちのため、年収アップを目指して独立を検討されている方も多いのではないでしょうか。

今回は、美容室経営者の年収相場や独立後に目指すべき年収ライン、年収アップのためにすべきことについて解説していきます。

また、高年収を叶えた美容室経営者の共通点もご紹介していますので、美容室経営で年収アップを目指していきたい方はぜひ参考にご覧ください。

*【出典】令和2年度末現在の都道府県別交通信号機等ストック数|警察庁

美容室経営者の年収相場は400万〜500万円だが……

美容室経営者の年収相場は400万〜500万円のイメージ画像

美容室経営者の年収相場は400万〜500万円だと言われています。

しかし、実際のところは250万〜300万円前後という年収の美容室も多いと認識しており、美容ディーラーであるクリエイティブブレーンとして日々支援の方法を考えています。

美容室経営者の年収について考える上では、まず「年収」と「年商」の違いはもとより、売上高や経費などについても知る必要があるため、それぞれ分かりやすくまとめていきます。

「年収」と「年商」の違い

「年収」と「年商」の違いですが、年商は美容室として1年間で得た売上高であるのに対し、年収は経営者自身の収入金額総額のことを指します。

通常、個人事業主として開業する場合は売上高から材料費や家賃などの経費を差し引いた利益を収入とし、法人として開業する場合は給料のように毎月一定額を受け取る役員報酬が収入となります。

ですので、美容室の売上が年間で1,000万円あったとしても、1,000万円がそのまま経営者個人の年収になることはないと覚えておきましょう。

美容室経営で想定できる年商はおよそ650万円

「年収」と「年商」の違いをおさえた上で、美容室経営における売上高について見ていきましょう。

厚生労働省が「美容業」営業の実態について調査した平成27年度生活衛生関係営業経営実態調査の結果報告書「美容業の実態と経営改善の方策(抄)」によると、1日の平均来店客数割合は下記の通りとなっています。

構成\1日の平均来店客数割合平日休日
0〜4人56.7%28.5%
5〜9人21.5%24.3%
10〜14人7.4%9.5%
15〜19人3.2%3.5%
20〜24人1.4%2.1%
25〜29人1.1%1.1%
30人以上0.7%1.8%
不詳8.1%29.2%

【出典】美容業の実態と経営改善の方策(抄)|厚生労働省

また上記と同じ報告書によると、美容室経営の88.7%が「個人経営」となっており、従業員数に関しても「1人〜3人」が72.9%を占める結果に。加えて、複合施設を除く一人当たりの平均単価は4,000〜5,999円となっていました。

仮に、

として売上を計算した場合、8時間÷90分で1日最大5名の接客が可能ですので、1日あたりの売上高は25,000円となります。

  • 一人経営(1日8時間の営業)
  • 顧客一人あたりの所要時間が90分
  • 顧客一人あたりの売上が5,000円
5名×5,000円=25,000円

経営者は法律上で労働時間の上限を規制されていませんので休みなく働くことができますが、労働基準法に準じて1日あたり8時間×年間260日で店舗を運営すると想定して単純計算すると、年商650万円という金額が算出されます。

25,000円×260日=650万円

美容室経営で想定できる年収はおよそ390万〜455万円

美容室経営においては、

  • 材料費(シャンプーやカラー剤など)
  • 消耗品(マスクや手袋など)
  • 備品(シャンプー台やパソコンなど)
  • 店舗の家賃
  • 店舗の光熱費
  • 広告費
  • 人件費
  • 通信費
  • 交際費
  • 保険証
  • 税金

といったものを経費として差し引くことができます。

美容室経営の適正な経費割合は30〜40%だとされており、年商650万円だと想定した場合、この内195万円〜260万円が適正な経費だと計算できます。

そして、残った390万〜455万円が経営者が年収として受け取ることができる金額になります。

ただし、この金額はあくまで一人経営かつ1日で対応できる最大人数を想定した金額となり、厚生労働省のデータからも全国の美容室・理容室の半数以上が「平日の集客数は0〜4人」と回答していますので、実際はこれより少なくなると予想できます。

美容室経営者が独立後に目指すべき年収ライン

美容室経営者が独立後に目指すべき年収ラインを見ていきましょう。

先ほど、美容室経営者の年収相場は250万〜300万円程度だと説明しましたが、クリエイティブブレーンでは独立後2〜3年で年収を500万〜700万円まで引き上げられるように経営のお手伝いをしています。

経過年数経営者の年収ライン
1年目250万円
2年目500万円
3年目700万円

美容師としての技術に自信があっても必ずしも経営が上手くいくとは限らず、開業から最初の半年が勝負だと言われています。一般的に美容室の生存率は開業後1年以内で40%、3年以内で10%だとされているのですが、これはつまり、10人いる経営者のうち6人が1年以内に、9人が3年以内に美容室を廃業していることを意味します。

そのため、美容室経営を上手く軌道に乗せるには、施術スキルに加えて経営ノウハウを身に着ける必要があると言えるでしょう。

美容室経営者が年収アップのためにすべきこと

美容室経営者が年収アップのためにすべきことのイメージ画像

美容室経営者が年収アップのためにすべきことを以下の3つにまとめて解説していきます。

  1. コストを削減する
  2. スタッフを育てる
  3. 美容ディーラーを活用する

それでは詳しく見ていきましょう。

年収アップ①:コストを削減する

美容室経営者が年収アップを目指すためには、集客や売上のアップを目標にするだけでなく、コストの削減にも取り組むことです。

そのためには、まず下記の2点について把握しなければなりません。

  • どの業務にどれくらいのコストがかかっているか
  • コストや予算は適正か

その上で、「無駄が発生していないか?」「不足していないか?」を見つけ出していきましょう。

ただし、スタッフの給与を減額したり、人手不足にもかかわらずスタッフを入れないなど、人件費にかかる予算をカットしてしまう際は注意しなければいけません。スタッフのモチベーションが下がってしまうだけでなく、スタッフが辞めてしまったり、美容室そのものの社会的評価が低下してしまう可能性があるからです。

弊社が数多くの美容室経営をサポートしてきた中で感じることは、成功している美容室経営者ほど自身の年収アップよりスタッフの年収をアップさせることを優先している傾向があるという点です。

これらのことを踏まえて、コスト削減に取り組んでみてください。

年収アップ②:スタッフを育てる

美容室経営者の年収を上げるためには、当然ながら売上と利益を上げていく必要があります。そのために必要なことはスタッフを育てるということです。

スタッフを育てることには、さまざまなメリットがあります。

【スタッフ育成のメリット】

  • 店舗コストの効率化
  • 離職率低下
  • スタッフ連携により生産性の向上
  • 仕入れ価格の低減

独立して一人でお店を切り盛りしていると全ての仕事を一人でこなさなければなりません。お客様の施術は元より、仕入れ、予約対応、掃除、洗濯、宣伝活動、経理など、バックエンドの作業にも膨大な時間を取られることになります。

また自分自身も年々歳を取り、病気や怪我によって仕事ができなくなるリスクを抱えながら営業を続けることになります。

そこで多くのオーナーがスタッフを採用することになります。そこで大切なのが「スタッフを育てる」という発想です。ただ採用するだけではなく、より優秀なスタッフになって頂けるように教育する必要があります。

スタッフが育ち、お店の販売が大きくなれば、店舗のコストの効率も上がりますし、シャンプーやカラー剤なども大量に仕入れることができ仕入れ価格を抑えられるようにもなります。

また、スタッフが増えることで、店舗数を増やすことができ地域での影響力も高まります。さらに、店舗数の増加に伴ってマネジメントする側の人手も増員していく必要が出てきますし、スタッフの数が増えてくると産休・育休・介護休暇などが取得しやすい体制を構築できるようになります。このように、スタッフのキャリアアップ制度や長期的に働きやすい環境が実現することで、離職率低下にもつながるでしょう。

もちろん多店舗経営には、店舗ごとの運営に目が届かなくなったり、スタッフの管理やケアが不足してしまったり、経営の複雑性が生じてしまったりといったデメリットも存在します。

いずれにしても経営者の年収アップはスタッフ教育の成果と比例することはいうまでもありません。スタッフが育つ→売上が上がりスタッフの年収がアップする→結果的に、経営者の年収もアップする、というプラスのスパイラルが理想になります。

そのため、後述する美容ディーラーを活用するなどして、美容室の成長に合わせた経営戦略を組み立てていくことが大切です。

年収アップ③:美容ディーラーを活用する

高年収を叶えた美容室経営者の多くは、美容ディーラーを上手に活用しています。

美容ディーラーと言えば、カラー剤などの美容商材や店販商品、シャンプー台などの器具の買い付けをイメージする方が多いかと思いますが、近年では店舗運営・美容室経営をサポートとするコンサルタントとしての役割を持つ美容ディーラーも増えてきています。

【美容ディーラーの役割】

  • 美容商材や美容器具の買い付け
  • 情報の提供
  • 運営・経営のアドバイス

そのため、これから美容室を開業するのであれば、美容ディーラーと共に店舗運営の歩みを進めていくことをお勧めします。

美容ディーラーを活用するメリットは、店舗運営に必要な商品や備品をまとめて発注できるだけでなく、地域独自の情報を教えてくれたり、経営に関するサポートを受けられたり、勉強会やコンテストなどへの参加を斡旋してくれたりといった点があげられます。

美容ディーラーである弊社クリエイティブブレーンでは、美容室の年商アップはもちろん、開業のサポートや経営者様自身の年収アップもマネージメントしておりますので、お気軽にご相談ください。

美容ディーラーについては「美容ディーラーとは?役割や利用するメリット・デメリットを解説」で詳しくご紹介していますので、ぜひ併せてご覧ください。

高年収の美容室経営者に共通している3つの共通点

最後に、高年収の美容室経営者に共通している3つの共通点をご紹介します。

  1. 忍耐力がある
  2. フットワークが軽い
  3. 他人に頼る力がある

それでは詳しく見ていきましょう。

共通点①:忍耐力がある

成功している美容室経営者に共通している1点目は「忍耐力がある」ということです。

雇われ美容師から独立開業して間もなくは経営が軌道に乗らず、苦しい時期が続くケースがほとんどです。高年収を叶えた美容室経営者も、全員が全員、最初から経営が上手くいっていたとは限らず、目標達成にこだわって忍耐強く努力した結果として、成功に結びついたと言えるでしょう。

独立すると早く結果を出したいと焦ってしまいますが、自分の感情をコントロールし、いざという時のチャンスに備えておくことが大切です。

共通点②:フットワークが軽い

成功している美容室経営者に共通している2点目は「フットワークが軽い」ということです。

「石橋を叩いて渡る」ということわざにもある通り、安心だろうと思う道でも用心深く行動する姿勢はとても良いことですが、スピード感に劣るという側面も持ち合わせています。

そのため、丁寧に仕事をする場面と、フットワークが軽くあるべき場面を見極められるようになっていきたいところです。

フットワークが軽い経営者は「ここぞ!」という時の決断力に長けているだけでなく、物事を柔軟に捉える力にも秀でています。

美容室経営で高年収を目指したい人は、失敗を恐れず、まずは行動してみることを心がけてみてはいかがでしょうか。

共通点③:他人に頼る力がある

成功している美容室経営者に共通している3点目は「自分に備わっていないスキルや経験を持つ他人に頼る力がある」ということです。高年収を叶えている美容室経営者は、その道のプロフェッショナルを頼ることで、仕事の効率やスピードを上手に上げているのです。

特に独立して間もない頃は、他人の力に頼らず、一人で頑張ろうとしがちですが、美容室経営で成功したいなら、他人を頼る力を身に着けると良いでしょう。

美容サロンとスタッフを元気にするパートナーディーラー クリエイティブブレーン

クリエイティブブレーン

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