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美容室を一人で経営・運営するメリット・デメリットは?成功のポイントも解説!

2022年9月28日
  • コラム

美容業は独立する人が多い業種です。

特に美容室は最たるもので、全国の美容室店舗数は毎年最高記録を更新し続けており、他の業種に比べて経営者が一人で店舗運営まで行う人が多いのも美容室の特徴となっています。

そこで今回は、美容室を一人で経営・運営するメリットとデメリットと併せて成功のポイントについてもご紹介します。

開業資金や資金調達の方法についても触れていますので、これから美容室を一人で経営したいと考えている方は、ぜひ最後までお読みください。

一人で経営・運営している美容室は全国で3割程度

厚生労働省の「平成27年度生活衛生関係営業経営実態調査について」によると、平成27年度末時点で「個人経営」している美容室は全国で252施設(88.7%)、「株式会社(有限会社も含む)」が30施設(10.6%)となっています。

また、従業員数の規模を見てみると、1人(経営者のみ)の割合が32.4%と最も高い結果となっており、次いで2人(経営者+1名)が28.2%、3人(経営者+2名)が12.3%となっていました。

このことから、経営者が一人で店舗運営までを行っている美容室が圧倒的に多いことがわかります。

将来的に独立して一人で美容室を経営・運営しようと思っている方にとって、同じ境遇の美容室が大多数であることは安心材料の一つにもなりますが、反対にライバルが多いということにもなります。また、こういった厳しい状況もあって、美容室は開店後1年以内に6割が、3年以内に9割が店じまいすると言われています。

そのため、美容室を一人で経営・運営するデメリットにもしっかり目を向け、経営を軌道に乗せるための準備を進めていく必要があるでしょう。

美容室を一人で経営・運営するメリットとデメリット

美容室を一人で経営するメリットとデメリットのイメージ画像

次に、美容室経営者が一人で店舗運営を行うメリットとデメリットについてご紹介します。

それでは詳しく見ていきましょう。

一人経営・運営のメリット

美容室を一人で経営するメリットとして、以下の点があげられます。

  • 固定費の負担が軽い
  • 労働時間が調整しやすい
  • 採用活動や育成に労力を割かなくても良い

固定費とは、美容室を運営する上で必ず発生する費用のことです。例えば、土地代や家賃、水道光熱費、広告宣伝費、通信費、人件費、備品の減価償却費などです。

美容室の場合、適正な人件費率は売上の40〜60%と言われていますので、従業員を持たないことは大幅な経費節約につながります。

また、経営者一人だけであれば最低限の作業スペースがあれば営業できますので、土地代や家賃などの経費を削減することができます。

東京都福祉保健局によると、東京都内の市町村区域(八王子市及び町田市を除く)では1作業室の床面積が13平方メートル(3.93坪)以上あれば営業が可能となっています。

例えば、セット1面・シャンプー1台であれば4坪〜6坪で十分な広さを確保することができますので、土地代や家賃の大幅な削減に繋がります。

一人経営・運営のデメリット

一方、美容室を一人で経営するデメリットとしては下記の点があげられます。

  • 受け入れ客数に限界がある
  • 事業規模の発展に限界がある
  • 体調を崩すと代わりになる人がいない
  • 自由がゆえに向上心を削いでしまうことに繋がる
  • 外部業者からの協力を得にくい

美容室を一人で回すということは、「1馬力」であることを意味します。

そのため受け入れ客数には限界があり、売上や年収の上限もある程度決まってしまいます。また、体調を崩してお店が開けられなくなると売上はゼロになりますし、自由がゆえに向上心を削いでしまうことにも繋がります。

こういったデメリットも踏まえた上で、あえて一人を選択されている美容室も多く存在しますが、年収を上げていきたいという方にとっては一人経営はむしろ足枷となるケースがあります。

そのため、年収を上げていきたいのであれば、従業員の採用・育成、多店舗展開などを視野に入れて事業計画を立てていくのが良いでしょう。

ちなみに、将来を見据えてある程度規模の大きな店舗を借りたとしても、従業員を採用するまではフリーランス美容師への面貸しや派遣美容師を利用するなどして固定費を削減することも可能です。

美容室を一人で経営・運営する3つの成功ポイント

一人経営している美容室

弊社クリエイティブブレーンは、美容ディーラーとして数多くの美容室経営をサポートしています。そのため、さまざまな美容室の経営事情に触れてきました。

そこで、一人での経営・運営に成功している美容室経営者に共通する3つのポイントをご紹介します。

  1. 資金管理をおろそかにしない
  2. 売上高にこだわる
  3. 美容ディーラーを活用する

それでは一つずつ見ていきましょう。

ポイント①:資金管理をおろそかにしない

美容室の一人経営・運営を成功させるポイント1つ目は「資金管理をおろそかにしない」ことです。必要経費を見える化し、無駄の削除、無理の排除を行うことが、一人経営を成功に導く第一歩だと言えるでしょう。

まず、美容室を開業するにあたって大きな壁となるのが「開業資金」です。また開業資金の他にも「運転資金」といって店舗運営を行うための資金も用意する必要があります。

開業資金は主に設備投資にかかる費用のことで、不動産契約費・内装費・備品(シャンプー台など)といったものが含まれます。開業資金の目安金額については、規模によって開きがあるものの、1,000万円前後が平均値となっています。

一方、運転資金は店舗運営にかかる費用のことで、家賃・人件費・広告費といった固定費や、シャンプー・カラー剤などの材料費などが含まれます。運転資金の目安金額ですが、1ヶ月に必要な経費の3〜6ヶ月分を準備しておくと良いでしょう。

仮に1ヶ月の売上を1日5名×客単価5,000円*×営業日数26日*で計算して65万円だとします。

1日5名×客単価5,000円×営業日数26日=65万円

*客単価は厚生労働省「平成27年度生活衛生関係営業経営実態調査について」の報告による一人当たりの平均単価は4,000〜5,999円(複合施設を除く)の中間値を取得

*営業日数は定休日を月4〜5日取得したものと仮定

65万円の30〜40%は19万5,000〜26万円ですので、中間値を取った227,500円を運転資金だとすると、3〜6ヶ月分で682,500〜136万5,000円となります。

上記から、開業時に必要な開業資金と運転資金を合算するとおよそ1,100万円前後となりますが、全額を自己資金で準備するのは企業全体でも約3割程度で、金融機関や親族から借り入たり、助成金・補助金を活用して準備するケースが多いです。また最近ではクラウドファンディングで資金調達する美容室経営者も増えています。

ちなみに、厚生労働省「平成27年度生活衛生関係営業経営実態調査について」による報告では、37.3%の美容室経営者が日本政策金融公庫を利用して資金調達したことがあると回答しています。日本政策金融公庫は100%国が出資する財務省所管の金融機関で、創業などの相談やビジネスサポートも無料で受けることができるため、選択肢の一つとして入れておいて損はないでしょう。

美容室経営者の売上や年収については「美容室経営者が目指す年収はいくら?代表的な年収ラインも解説」で詳しくご紹介していますので、併せてご覧ください。

ポイント②:売上高にこだわる

美容室の一人経営・運営を成功させるポイント2つ目は「売上高にこだわる」ことです。

売上をアップする方法としては、

  • 新規顧客を獲得する
  • リピーター顧客を定着させる
  • 客単価を上げる
  • 店販の購買率を上げる

といった点に取り組む必要があるでしょう。

開業して間もない頃は、知人からの応援や開店キャンペーンの開催などもあって一時的な集客が見込めますが、次第に勢いは落ち着いていきます。そのため、オープン当時の集客は一時的なものだと理解し、長期的な集客戦略を練っていかなければなりません。

例えば、あまり繁盛しているように見えないのに何年も営業している美容室をたまに見かけますが、こういった美容室のほとんどはリピーターで成り立っており、まさに美容室経営の成功例だと言えます。

成功だと言える理由は、あえて広告宣伝を打つ必要もなく、顧客の来店間隔もある程度把握できるので材料の仕入れに無駄がないからです。むしろ、必要最低限の仕入れしか行っていないため、新規顧客の来店を毛嫌いする経営者もいるほどです。

地域住民から信頼される美容室経営を目指すには、まずは美容室のことをよく知ってもらうことにつきます。そのためには、ターゲット層に合わせたアプローチ方法で集客活動を行うことが大切です。

加えて、スペシャルメニューや店販を活用するなどの工夫で客単価を上げ、売上アップにこだわっていきましょう。

美容室の集客課題については「美容室の集客課題を解決!新規獲得・リピーター定着を実現する方法とは?」で詳しくご紹介していますので、ぜひご覧ください。

ポイント③:美容ディーラーを活用する

美容室の一人経営・運営を成功させるポイント3つ目は「美容ディーラーを活用する」ことです。

美容ディーラーは店舗運営に必要なシャンプーやカラー剤といった商品の提案や買い付けをするのが役割ですが、近年では、美容室の開業サポートや最新情報の提供、経営コンサルティング、講習会・コンテストの主催・斡旋などを行う美容ディーラーも増えてきています

起業の相談だけであれば地域の商工会議所や金融機関もできますが、美容室に特化した経営・運営サポートを希望するのであれば、断然美容ディーラーがお勧めです。

美容ディーラーは仕事柄、数多くの美容室と関わりがあり、経営者一人で店を回している美容室もたくさん見ています。そのため、一人でも美容室を成功させるコツや儲かる仕組みの構築、集客活動、人材採用・育成といった美容室経営のトータルサポートが受けられるようになっています。

特に一人経営は仲間がおらず孤独になりがちです。そんな時に、美容ディーラーという心強い味方をつけることで、経営者としての技量が上がるだけでなく、美容技術の向上やモチベーションの維持にも繋がります。

美容ディーラーについては「美容ディーラーとは?役割や利用するメリット・デメリットを解説」で詳しくご紹介していますので、併せてご覧ください。

美容室の一人経営はデメリットと向き合うのがポイント

正直なところ、美容室を一人で経営・運営することはメリットよりもデメリットが大きいもの。

それでも「独立して自分だけの美容室を経営したい」「一度従業員を雇ってみたが、また一人経営に戻りたい」という美容師が後を立たないのは、一人経営でしか叶えられない夢や目標があるからです。

美容室の一人経営を成功させるには、デメリットと向き合い、デメリットをカバーするために行動することがポイントとなります。

まずは、美容室を開業する目的が何なのか?なぜ一人にこだわるのか?を明確にし、自身にあった美容室の形を見つけていきましょう。

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