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美容室のオーナーは儲かる?美容室の規模ごとの利益シミュレーション

2023年10月6日
  • コラム

競合が多い美容室経営でオーナーが儲かるためにはさまざまな要素が必要ですが、中でも、効率的な経営とコスト管理を行い、利益を最大化することが重要です。

そのためには、美容室の規模に応じた費用と収益のバランスを取らなければなりません。そこで今回は、美容室の規模ごとに、オーナーとして儲かる利益をシミュレーションしてみます。

美容室のオーナーは儲かる?

厚生労働省の令和3年度衛生行政報告例によれば、令和3年時点での美容室の件数は約26.4万件で、約30年間右肩上がりで増加しており、年々顧客を獲得するための競争が激化してきていると考えられます。

よって、美容室のオーナーは、店舗やサービス・商品によりオリジナリティーを付加して、他社と差別化を図っていかなければなりません。

その際に注意すべきなのは、美容室の規模に応じて、費用と収益のバランスを取ることです。

小規模美容室であれば、店舗や人材、商品、設備に投資するイニシャル・ランニングコストは小さくなりますが、利益(リターン)も小さくなるものです。一方、大規模になるほどコストは大きくなりますが、利益も大きくなる傾向にあります。

つまり美容室が儲かるには、収益を最大化するためのコスト管理や効率的な運営を規模ごとに行う必要があると言えるでしょう。

美容室オーナーが儲かるか利益をシミュレーション

美容室オーナーが儲かるか利益をシミュレーション

では、美容室の規模別に基準となる利益(営業利益率)を以下の条件を元にシミュレートしてみます。

  • ・営業利益率(%)=営業利益(※1)/売上(※2)×100 

    ※1:営業利益=売上総利益(※3)−(販売費及び一般管理費※4)
    ※2:売上(月)=客単価×客数×稼働日数
    ※3:売上総利益=売上−材料費(※5)
    ※4:販売費及び一般管理費=広告宣伝費、人件費、家賃、水光熱費、通信費、雑費、福利厚生費≒売上の80%として換算
    ※5:材料費≒売上の10%として換算

    ・稼働日:24日/月
    ・客単価:7000円
    ・スタイリスト一人当たりの一日の接客数:5人

1人経営美容室の場合(営業利益率A)

1人経営美容室の大きなメリットは、自身がオーナー兼美容師である場合、人を雇わないので人件費が不要になることです。

以下の条件の元、営業利益率を算出します。

  • ①営業利益≒75.6万−67.2万=8.4万円/月
    ②売上(月)=7000円×5人×24日=84万円/月
    ③売上総利益≒84万円−8.4万円=75.6万円
    ④販売費及び一般管理費=84万円×0.8=67.2万円

    ∴営業利益率A(%)=営業利益/売上×100=8.4万円/84万円×100=10%

一般的な美容室の売上では、35~40%は人件費として計上されますが、1人経営美容室ではその人件費の一部は自身の利益として計上できるため、実際の営業利益率Aは10%より若干高めになります。

中規模美容室の場合(営業利益率B)

在籍するスタッフが5~10人程度の中規模美容室の大きなメリットは、大規模美容室ほど雇用リスクはなく、売上(収入)と人件費(支出)のバランスが保ちやすい点にあります。

スタッフの人数を中間値の8人にした場合、個人経営より人件費が増えるため、販売費及び一般管理費を82%に設定。その条件で営業利益を算出すると以下のようになります。

  • ①営業利益≒604.8万円−551.0万円=53.8万円/月
    ②売上(月)=7000円×8人×5人×24日=672万円/月
    ③売上総利益≒672万円−67.2万円=604.8万円
    ④販売費及び一般管理費=672万円×0.82=551.0万円

    ∴営業利益率B(%)=営業利益/売上×100=53.8万円/672万円×100=8%

営業利益率Aよりも人件費がかかる分、雇用リスクも増えるため、営業利益率は若干低くなります。

大規模美容室の場合(営業利益率C)

在籍するスタッフが10人以上の大規模美容室の大きなメリットは、売上が大きくなるという点です。しかし、雇用保険や福利厚生、賞与などの負担もあわせて大きくなります。

スタッフの人数を15人にした場合、大規模美容室は人件費がさらに増えるため、販売費及び一般管理費を84%に設定して営業利益を算出すると、以下のようになります。

  • ①営業利益≒1134万円−1058.4万円=75.6万円/月
    ②売上(月)=7000円×15人×5人×24日=1260万円/月
    ③売上総利益≒1260万円−126万円=1134万円
    ④販売費及び一般管理費=1260万円×0.84=1058.4万円

    ∴営業利益率C(%)=営業利益/売上×100=75.6万円/1260万円×100=6%

営業利益率Bよりも人件費がかかる分、雇用リスクも増え営業利益率は若干低くなりますが、1人当たりの売上や客単価が高くなると、在籍スタッフ分の営業利益率は向上します。

一般的な指標として、営業利益率が7~10%程度であれば、収支バランスが良好で儲かるとされるため、算出した営業利益率A~Cを参考に、現在の収入と採用バランスを検討してみましょう。

【規模別】美容室オーナーが儲かるために実行すべきこと

【規模別】美容室オーナーが儲かるために実行すべきこと

では、オーナーが美容院経営で儲かる(営業利益率を高く維持する)ために、具体的にどのようなことを実行するべきでしょうか。美容院の規模別に具体例をあげてみます。

1人経営美容室

オーナー自身が美容師として施術をする1人美容室経営では、儲かるために時間単価を上げていくことが必要です。

利益率が高いメニューの設定

1人経営美容室では、1日の施術人数が限られてしまいます。

よって、働ける時間が限られるため、カット+パーマのメニューやカット+カラー+髪質改善トリートメントなどの複合メニューを提案すると、客単価はUPして利益率は改善するでしょう。

店販の充実

1人経営美容室では、基本的にはすべて自身が接客から施術まで行うため、カウンセリングの中で、顧客の悩みに気づきやすいことが大きなメリットです。

個々に合う商品を提案する機会が多いこともあり、店販を充実させることは客単価をUPさせるために有効な手法です。

中規模美容室の場合

上記の1人経営美容室よりもスタッフ数が増えることから、以下の手法が儲かる美容室となるために有効です。

社内環境整備

離職率が高い傾向にあると言われる美容師。スタッフの離職は、中規模美容室にとっては死活問題です。以下のような取り組みを実行して、儲かる中規模美容室を目指しましょう。

  • 意見交換がしやすくなるよう、ビジネスチャットツールなどを使って連絡や相談がしやすくなるよう配慮する
  • 清掃や資材管理は当番制として、無駄な残業が生じないようにする。
  • お洒落で清潔な職場環境とすることで、スタッフがここで働きたいと思えるように店舗の改修やインテリアの充実、整理整頓の徹底を行う
  • 多様なサービスができるよう、パーマ機器などの施術設備を充実させる

生産性向上のための人材育成

多様な顧客ニーズにこたえるため、定期的な勉強会やセミナーへの参加を促すなど、在籍するスタッフのスキルをUPさせることが大切です。

特に、若年層のスタッフは業界離職率が高いことから、定期的な面談を行い、課題や悩みをオーナーや店長、スタッフが共有しながら、長期的な視点で技術や精神面の指導を行うことが重要です。

大規模美容室

上記に加えて、売上UPと人材確保のための対策に特化していくことが、儲かる美容室として存続するための大きなポイントです。

粗利益向上のためのサービス構築

スタッフ数が多いため、粗利益が高くなるようなサービスを設定することが重要です。

具体的には、

  • スタイリストではなくアシスタントでもできるようなシャンプーやトリートメント、マッサージなどの施術メニューの追加
  • 多様なニーズに応じられるよう、流行スタイルの提案のための研修、施術機器導入
  • フォトグラファーを雇用し(または専用撮影スペースを設置)、スタイリング後や着付け後などの記念撮影サービス
  • SNS(Instagram、TikTokなど)を用いた広告宣伝による集客

などを行い、多数のスタイリストが在籍できるからできることを強みに、昨今の多様な顧客ニーズに応じられるよう競合と差別化を図ることが必要です。

採用強化

大規模な美容室ほど、常に採用を行い、人材確保を行うことが大切です。

即戦力だけではなく、新卒採用を強化し、店のコンセプトにあった技術・ノウハウを教えていきながら人材を育てていくことが、長期的に儲かる美容室経営において重要と言えます。

また、高校生などの美容師免許を持っていない時期からアルバイトとして採用し、事務や雑務を通して、ゆっくりと貴重な人材として育てていくことも一つの手法としてあげられます。

美容室オーナーが儲かるためには店舗を増やす方法も

美容室オーナーが儲かるためには、店舗を増やし売上自体をUPさせる方法も有効です。店舗を増やす手法は、大きく2つあります。

①店のコンセプトは同じで、さまざまな地域に店舗を増やす
この手法であれば、特別な顧客層の偏りがなければ、1店舗目と同様な売上を見込むことができます。ただし、新たに店を増やす地域の客層の調査やターゲット顧客の再検討は必要です。

②店のコンセプトを変えて、さまざまな地域に店舗を増やす
例えば、現店舗がパーマやカラーがメインで客単価・客層が高めの場合、別の地域では客単価を低くして客層を若くした店舗を出店するケースなどが考えられます。

この場合、グループ内の知識、技術、ノウハウを店舗ごとで共有することで、更なる売上UPを期待することができます。

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